Hilbertの幾何学基礎論 と GeoGebra

「.Hilbert の幾何学基礎論」といえば 公理主義のバイブルのような本で「幾何学の公理化」でとても有名です.公理は次の五つに分かれています.

  1. 結合の公理
  2. 順序の公理
  3. 合同の公理
  4. 並行の公理
  5. 連続の公理

この公理群はユークリッドの5つの公準を厳密にしたものです.まるで式のない論理学の本のようなこの本の中で 図形ソフトとしてのGeoGebraを役立てる箇所は余り有りませんが,第5章「デザルグの定理」に登場する折れ線モデルは 上の公理群の関係性を明らかにするために作られたもので ここではGeogebraが役に立ちます.このモデルでは折れ線で直線を定義し,角度や線分の長さも定義します.(新しく直線や角度を定義する点は非ユークリッド幾何のモデルのようです)この幾何モデルは上の5つの公理群の殆どを満足しますが,三角形の合同条件(2辺狭角相当)を満足しません.そのためそのモデル上ではデザルグの定理やパスカルの定理も成り立ちません.(しかし円は掛けるし,三角形の内角和は180度になるなど色々な性質は成り立ちます). ヒルベルトは公理の独立性と関係性を証明するためにこの様な幾何を作ったものと思われますが,我々はGeoGebra で実際にモデルを作り直線や円を描いたりしてその確認をすることが出来ます.折れ線幾何の定理を見つけることもできるかもしれません?! ファイルは Power Point と GeoGebra のファイルです.また私のYouTube channel (mixed moss)でも配信してます.

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