Topics-Bolyaiの「空間論」を中心として

「概説」に取り上げなかった事を「徒然なるままに」書きました.主に Bolyaiの「空間論」から題材をとっていますが,全てではなく,自分で考えたものやロバチェフスキーなど の書いたものも入っています.このページを読む前に「概説」のページをご覧ください.概説にはBolyaiの空間論の概略を載せてあります.

それでは,まず,Bolyaiの経歴からご紹介します.Bolyai Janos(1802-1860) は,非ユークリッド幾何の3人の発見者の1人です.

最後のしみじみさせられる文は 森毅先生の「異説 数学者列伝」に載っていました.悲劇の天才というとGaloia が有名ですが,Bolyai もなかなかどうして 負けていないと思います.(負けた方が良かったけど.) このBolyaiが「Appendix」を, 自らドイツ語に翻訳した本が「空間論」ですが,ほとんど「Appendix」と同じ内容です.(一部「Appendix」にあって「空間論」にない部分がありますが,寺坂先生は,その部分も訳されています.)  寺坂先生はどちらかと言えば ロバチェフスキーの論文の方を 「プロの書いた論文」として高く評価されていてるのですが,私は素人なので Bolyaiの方が (最初はとっつきにくかったのですが) 好きになりました. その証明は ほんとにとても図形的で 惚れ惚れしてしまいます.そこで 自分の勉強のために WEBにもアップして励みにしようと思いました. 証明は自分に分かりやすいように変えています.また,自分でモデルを使った証明を付け加えたところも多々あります.そのうえ 私は専門家ではないので,間違えている点も多いと思います. その分ご了承ください. Bolyaiの「空間論」は(絶版ですが) 「19世紀の数学 幾何学T」(共立出版)に 含まれています.この本の注釈がとても助かります. また,英語では 比較的最近のものとしては 「Janos Bolyai」 by Jeremy J. GRAY(2004年) があり,非ユークリッド幾何とBolyaiの話の他, 「付録」の英語訳(by Halsted) も載っています.(上の経歴はそこから得ました.) 他にも古いですが BONOLA「Non Euclidian Geometry」には解説と共に 原論文が載っている「らしい」です. (しかしなぜか 私の買った本には載っていませんでした.何冊か同じ題名の本があるので,買うときにはご注意ください.)原論文をお読みになりたい方は これらをお読みください.

 Bolylaiは独特の用語を使います.「極限平行」と言うのは「平行(無限遠点で交わる)」の意味です。「直線ABと直線CDが極限平行」を「AB|||CD」と表します.また半径がABの円の「円周」を「〇AB」,「円周および内部」を「●AB」と表します.ここでABは双曲的線分である必要はなく,等距離線や極限円の一部でも大丈夫です.(文脈で判断します). さらに極限円をL,極限球をFとよびます.この変な名前は ドイツ語の Linie(line)と Flache(surface)から来ているようです. 以上は Bolyaiの用語/記号です. さらに, 雰囲気を出すため, 2点A,Bの双曲的距離[A,B]を (混乱が生じない限り,) 通常の で表します。

大半のプログラムはGeoGebra/Cabri3Dで書いています.一部はCabriUで書いています.GeoGebraはJRE/JDKが必要ですが,通常 既にインストールされています.Cabri3D/CabriUは「ソフトをお持ちの方でも」Pluginが必要です.Cabri3Dのpluginはここから, CabriUのpluginはここから ダウンロードできます.GeoGebra/Cabri図は,画面上でクリックすればマウスでいろいろ操作できます.Cabri3Dで視点を変えるには「右ボタンを押しながらグリグリ」して下さい. CabriUで 画面全体を動かすには,「Crtl」キーを押しながらDragしてください. CabriUでは 印をクリックすると作図の再現も出来ます. 

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  • Bolyaiの「空間論」から
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