- 2014年01月18日更新-

高校生のためのMuPAD

-MuPAD Pro (或いは, MATLAB Symbolic Math Tool Box)入門-


MuPADというのはいわゆる数式処理ソフトの一種で,コンピュータでグラフを描かせたり,積分や微分をやらせたり,はたまた漸化式を解かせたりするソフトです。この手のソフトとしてはMathematica, Maple などが有名ですがこれらは非常に値が張ります。(Maple9 は24万円以上します)ちょっと高校生のおこづかいで「買って試してみようか」というソフトではありません。ところがMuPADはそれらとほとんど同機能を持ちながら,なんと 「ただ!!」で使うことが出来ます。これなら高校生でも,ちょっと試して遊んでみることが出来るでしょう。Email や Web巡りだけがパソコンの使い方ではありません。グラフをさっと描かせることにより,今までは無味乾燥だった数式が突如意味を持って見えてきます。また,自分で計算した積分の結果があっているかどうかを即座にチェックすることも出来ます。( くれぐれも mupadで,答えだけを出して先生に提出したりしないようにね(^.^) 

このように, とてもすばらしいソフトなのですが,残念ながらMuPADはドイツ生まれで, しかも生まれてそんなにたっていないソフトなので, 日本語の本がたった一冊しかありません。 (2002年2月現在では,赤間世紀著 「はじめてのMuPAD」Springer出版のみ)。 しかも,それは高校生向けではないので, 高校生が理解するのはちょっと大変です。(もちろんいい本なのですが・・・)  そこで一念発起して,高校生向けに解説を書いてみました。 最初は「覚書ていど」の物にするはずだったのですが, 書いているうちにだんだんと気分が乗ってきて, 詳しく書きすぎたかもしれません。 特にグラフィックと行列の章は突っ込んで書いてあります。 もしこれを読んでさらに興味がわけば,自分でHelpを見てください。(同時に英語の勉強にもなって一石二鳥!?)。 また解説は基本操作の章の後は,どこから読んでいっても大丈夫です。 なお,解説はPDFファイルでかいてありますから、AcrobatReaderがない人は ページ下のバナーをクリックしてダウンロードしておきましょう。またPDFファイルは、多分ブラウザの窓の中に 表示されると思います。これを保存するのはブラウザのメニューバーではなく、 アドレスバーのすぐ下の、AcrobatReaderのメニューバーから「名前をつけて保存」を選び、例えば、"mupad.pdf" のように "*.pdf" の "*" の部分に適当な名前をつけて保存します。(Windows の場合)


【追記1】2004年12月に,MuPAD3.0に関する本「基礎からのMuPAD」を「工学社」から出版しました. これは「高校生のためのMuPAD」をMuPAD3.0 対応に改定したものです.あわせて大学初級生向けの内容も増やし,完全に書き直しました.(8割以上は書き下ろしです.) MuPAD3.0は,とくにGraphic機能が強化されており,グラフ機能は今までとは別物になっています.さらに simplify機能 もかなり実用的になっています.MuPAD Pro3.1は,学生ならば\8800 で,一般の場合でも\12000ぐらいで web から購入することができます.(一ヶ月は試用できます.残念ながら 無料の MuPAD Light 3.0 はまだ出ていません.2004年12月現在)

【追記2】2005年9月に 「MuPAD Light」は残念ながらダウンロード中止となってしまいました.本当に悲しいです.「MuPADよ,お前もかー」という感じです.旧版でもそのまま残して欲しかった.

【追記3】「MuPAD Light」 はダウンロード中止になりましたが,「Linux版 の MuPAD 2.5」 は Knoppix (CD起動のLinux) で良ければ 今のところ ただで入手可能です.どうやらドイツのジムナジウム向けに作成されたみたいです. しかし CD 起動のためかやはりスピードが遅く,その上 Menuが ドイツ語なので操作しずらいです.Keyboard もドイツ語キーボードなので 「*」や「^」さえ探すのに苦労します.Knoppixは ハードディスクにインストールすることもできるので, スピードの面では何とかなりそうです.Keyboard も ドイツ語使用に変えることができるので 「ドイツ語の勉強も兼ねたい」という人には お勧めです.ここをクリックして GI-Knoppix の頁にとび [Wie bekomme ich GI-Knoppix?]の章の[ISO-Image per Download ]をクリックすると iso image(700M!!) がダウンロードできます.これを CDに「イメージの書き込み」で焼いてCDを作成し,それを CDドライブに入れて 再起動すれば Windows でなく Linux が 立ち上がります.その画面左下の 「xmupad」のアイコンをクリックします.Licence入力 も要りません.

【追記4】 MuPAD で描いた CG(立体図形,平面図形)を載せました.プログラムの解説 と ビデオ を置いてあります.ここをクリックしてください.

【追記5】 MuPAD で描いた CG(極限のCGによる授業)を載せました. mnb ファイル を置いてあります.ここをクリックしてください.

【追記6】 2006年6月28日に MuPAD Pro 4 が出ました.一般のユーザーには MuPAD 2.5→MuPAD3 ほどの違いはなさそうです. NoteBook のサイズの縮小などの変化があります.MuPAD Pro3 で書かれたmnbファイルは import して MuPAD Pro4 対応のファイルに変えることが出来ます.

【追記7】 2007年10月に長野県高校視聴覚教育研究会で MuPADの紹介をしました.高校の教材で使えることを念頭において グラフの描き方やアニメーションを中心に説明しました.ファイルはにあります. 【追記4】,【追記5】のファイルと一緒に見られると面白いと思います.

【追記8】2008年9月,MuPADの開発元であるScifice社は,Mathworks社に吸収されてしまいました!! 以後は MuPADは単独では販売されず,MATLABの一部として 「Symbolic Math Tool Box」と言う形で販売されることになりました.値段は,Websiteには書いていません.Mailで問い合わせる仕組みになっています.MATLABから使うには,MATLABのインストールフォルダー内で,「\ToolBox\symbolic\mupad\win32\bin\mupad.exe」に対して ショートカットを作っておくと,MuPAD 5.1 だけを 簡単に使うことが出来ます.事実上, 以前とほぼ同様に使えるとはいえ,個人的には,以前のMuPADのような 手作り感が無くなり,大きなシステムの一部になってしまったので,とても残念です.「MuPAD, お前もか〜」と叫びたいです.



  1. 入手とインストール (2007年10月9日更新)ー古いです.そのうち更新します.
  2. MuPAD初歩の初歩
  3. MuPADで高校の数学を (MuPAD Pro入門)
    -長野県高校視聴覚教育研究会(2007年)におけるプレゼンテーションから
  4. MuPAD Pro3 によるC.G. (Pro4でもimport すれば観れます)
  5. MuPAD Pro 3 の使い方 (基本的には Pro 4, 5 , MATLAB でも使えます)
  6. MuPAD Light 2.0 の使い方 (分冊-PDFファイル)
  7. MuPAD Light 2.0 の使い方 (全て-PDFファイル)
  8. なぜ私はMuPADの解説を書いたか?


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